歯周病治療Periodontics

成人の5人に
4人は歯周病です

歯周病はかつて歯槽膿漏とも呼ばれていました。名称は変わりましたが、その脅威は変わっていません。歯が抜けてしまう原因としては常に第1位です。その理由として、虫歯と違い、自覚症状がほとんどなく、歯科医院を受診しなければ重症になるまで気付かない、ということが挙げられます。しかし、早期治療や、適切な処置によって、抜歯を回避することもできます。口臭や歯茎からの出血などがある場合は、早めの受診をおすすめします。

歯周病の原因

磨き残し

歯周病の原因の一番の原因です。時間をかけて毎日歯磨きをしていても、磨き方が間違っていたり、適切でない歯ブラシを使っていると、歯磨きの効率が下がるどころか、きちんと磨けていない可能性があります。それらが積み重なると、歯石になり、歯周病が進行していくのです。

全身疾患

糖尿病は歯周病を加速させる要因になると言われています。また、歯周病が進行すると、糖尿病も悪化するという研究結果もあり、この2つの疾患は、車の両輪のように、それぞれを刺激し合っていると考えられています。また、抗てんかん薬や高血圧の薬、免疫抑制剤などは、副作用に歯肉の増殖が現れるということが知られています。この副作用によって磨き残しが増えると、歯周病が進行する恐れがあるので、しっかりとクリーニングをする必要があります。

妊娠性歯肉炎(歯周炎)

妊娠中のホルモンバランスの変化によって、女性ホルモンが増加すると、歯肉が腫れやすくなります。一部の女性ホルモンには、歯肉炎を引き起こす歯周病菌の増殖を促す作用があるため、口腔内が不潔な状態が続くと歯周病が進行する原因となってしまいます。

歯周病治療の流れ

  1. STEP01カウンセリング

    まずはお話をお伺いします。生活習慣や使っている歯ブラシ、歯磨き粉、時間や補助器具使用の有無など、歯磨きに関することも質問させていただきます。歯周病は全身疾患との関係が深い疾患と言われており、特に糖尿病とは結びつきが強いということが分かっています。

    お薬手帳をお持ちの方は、忘れずにお持ちください。糖尿病手帳などをお持ちの方は、ご持参ください。また、妊娠の可能性がある方は、必ずお申し出ください。

  2. STEP02診査・診断

    お話しいただいた内容を踏まえ、検査を行います。レントゲン写真では、歯周病による骨の破壊が進んでいるかどうかを確認します。歯周病を進行させる原因となる虫歯や歯石の状態もある程度確認することができます。歯と歯茎の境目にできる歯周ポケットの深さを測る歯周ポケット検査も行います。歯周病の進行具合や、歯茎の炎症の度合いについて知ることができます。

  3. STEP03治療計画の立案

    検査結果をもとに、治療計画を立てます。何が問題になっているのかを把握し、それを改善するのに必要な処置や歯磨き方法などを考えます。治療方法など、複数のプランが考えられるときは、それぞれのメリットやデメリットについてお伝えし、ご相談の上、治療方針を決めていきます。

  4. STEP04歯磨き指導・歯石取り

    効果的な歯磨きの方法などをお伝えしますので、ご自宅で実践してみてください。治療としては、歯石取りを行っていきます。歯石を取り除くと、歯石に覆われていた歯の面が露出するため、一時的にしみる症状が出ることがあります。

  5. STEP05再検査

    歯石を取り除き、お口のクリーニングをすることで、歯茎の炎症が収まります。歯茎の状態が改善したところで、再度検査を行い、治療の効果を評価します。うまく治っていない場合などには、細かい歯石取りを行うか、外科処置を行うかを考えます。

  6. STEP06定期検診

    歯周病が治ったところで、定期的なメンテナンスへと移行します。歯周病は再発を繰り返すため、定期的なクリーニングなどで、お口の中がきれいな状態を維持する必要があります。

HOW TO TREAT PERIOTONTAL DISEASE 歯周病治療の方法

歯磨き指導(TBI)

その方に合った歯磨きの方法をご提案いたします。歯ブラシの当て方や、力の入れ具合、フロスや歯間ブラシなどの補助器具の使い方を丁寧にご説明しますので、ぜひご自宅で実践してみてください。実践していただいたら、再度歯磨きが出来ているかを確認させていただきます。フロスや歯間ブラシが難しい場合は、丁寧に指導し、少しずつステップアップできるようにお手伝いいたします。

スケーリング

歯石取りのことです。超音波を使った電動のものと手動の専用の器具を部位によって使い分けながら歯石を取り除いていきます。歯石は歯に強固にくっついているため、歯ブラシなどで取り除くことはできません。必ず専用の器具が必要になります。歯石がたくさんついている場合は、一度に取りきってしまうと、しみる症状が強く出ることもありますので、何度かに分けて処置を行うこともあります。

外科処置

スケーリングによって取り除けない歯石が歯茎の中についている場合は、外科的な処置を検討することもあります。

フラップ手術

歯石が歯茎の中の方についてしまい、目で見て確認ができなかったり、器具が入らない場合は、歯茎を切開して歯石取りを行うこともあります。処置中は麻酔をするため、痛みを感じることはほとんどありませんが、しばらくのあいだは、歯磨きがしにくかったり、辛い物や塩気のあるものがしみる、異物感などが残る場合があります。

PERIODONTAL DISEASE AND SYSTEMIC DISEASE 歯周病と全身疾患

糖尿病

歯周病との関連が強い疾患です。歯周病菌は内毒素という人体に害のある物質を作ることができます。この内毒素は、口の中の血管に入り込み、血糖値に悪影響を及ぼします。糖尿病は、血糖値のコントロールができなくなる疾患なので、病状が悪化してしまうため、歯周病を放置してしまうと非常に危険です。

逆に、歯周病の治療を行うと、糖尿病の数値が改善した、という研究結果もあるため、糖尿病で病院に罹られている方はもちろん、糖尿病の疑いがある、と言われている方も、ぜひ歯周病治療にいらしてください。

誤嚥性肺炎

歯周病があると、お口の中に、病原菌の巣がたくさんできてしまいます。これらの細菌の塊が誤って肺に入ってしまい発症するのが誤嚥性肺炎です。お口の中を清潔に保ち続けることで、誤嚥性肺炎のリスクを下げることができます。

肺炎は80歳以上の死亡原因第3位になっています。その多くが誤嚥性肺炎が原因と言われており、お口の中を清潔に整え、口腔機能を維持することが、健康寿命を延ばす重要なポイントです。

認知症

歯周病は歯が抜ける原因の第1位です。歯が少なくなると、噛む力が弱くなり、脳血流量が減少すると言われています。すると、認知症になりやすくなってしまいます。

さらに、認知症患者の方が歯周病になっている確率が高いため、認知症と歯周病の間に関連があるのではないか、と言われており、研究が進められています。

心疾患・脳血管疾患

心筋梗塞や脳梗塞で亡くなった方の詰まった血管から歯周病菌が大量に見つかったことから、歯周病と血管疾患の関係性に注目が集まっています。ある研究では、歯周病のある人は、そうでない人とりも2.5倍以上脳梗塞になりやすいという結果も出ています。

お口の中で繁殖した菌は、傷口などから体内の血管に侵入し、血管内にプラークを作ることで血管の梗塞(詰まること)が起こり、血管疾患に繋がると考えられています。

早産・低体重児出産

妊娠中に歯周病が悪化してしまうと、早産や低体重児出産の原因になるとされています。そのリスクはアルコールや喫煙よりもはるかに高いため、妊娠されている方や、妊娠の可能性がある方は、早めに受診されることをおすすめします。

また、妊娠中は痛みがあっても治療が難しい期間があります。妊娠を希望される方は、なるべく早めに検診を受け、お口の環境を整えておきましょう。

こんどう歯科医院

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